パキプス水耕管理⑤【まとめ】
パキプス水耕管理の最後のまとめの投稿です。
・切り戻し。樹皮と木質部の間の形成層が綺麗な木の色のところまで切り詰める。
・オキシベロン40倍の溶液に6時間漬け込み。
・乾かしてから殺菌剤とルートン塗布。
「発根成功した株の切り口」
「発根失敗した株の切り口」
・泡スチロール内に水槽ヒーター仕込み35度で設定。
・水は無くなったら足す感じで水換えは頻繁にはせず。
「場所取るので更にコンパクトな設備を考えたい」
・一坪ビニールハウスでの管理。保温なし。
・温室内温度:最低20度、最高45度、平均25度前後。
・水温:35度。
・湿度:50%→10/2以降はゴミ袋を被せて95%前後。
・ミスティング:日に1、2回。ただし出来ない日も。
「プチプチは保温保湿の為だが不要だったか」
・管理開始:8/26
・状態確認:10/2 - 発根無し
・発根確認:10/19 - 1株発根
残る2株は切り口で判断し断念
3株中の1株発根確認
「形成層の部分から根が出始める」
「中心部が黒くなっているのはほぼアウト」
「こちらは恐らく線虫に喰われたのではないかとのこと」
・カルスが出来、発根の兆しが見え始めると用土へ切り替え。
・普通に土に植えるのではなく、株元はベラボンを使用して植える。
・急に環境変化をさせない。水やりもしばらくは頻繁に。
「完全に根が出てるよりこれくらいのタイミングが理想」
「根元にベラボン使う以外は普通の用土」
・水耕の場合は水温さえ維持できれば、そこまでの高気温は必要では無い?
→ 恐らく水温の30度以上はマスト。外気温についても高くなくとも発根はするが、確率は下がると思われる。高い方が動き出しが早い。よって発根管理するのに適した時期は5月以降9月入るまで、もしくは温室内で加温をした方がよい。同じ原理で考えると土で管理する場合も鉢を温めて鉢内の温度は高めた方がよいかと思われる。
・湿度は重要。乾燥した状態だと芽吹きの動きも遅い。が、あまりに高過ぎる湿度は枯れている枝のカビの原因となり、また株へのダメージもある。今後の検証が必要だが80%程度+日に数度のミスティングが理想。
・管理開始後、動き出すのは2週間〜3週間程度。
→その期間を過ぎても芽吹き、動きなければ思い切って抜いてみて根の確認が必要。
・日照、風は発根管理にはあまり必要では無いかも。
上記を踏まえてもし次、未発根株に挑戦するのであれば、以下の環境でなら、それなりに成果が出るかもしれません。
①株元を新鮮な切り口まで切り詰める。
②水切りネットを使いベラボンで包んで水耕管理。
③水温は35度をキープ。
④外気温は30度以上。高くても問題ない。
⑤湿度は80%以上をキープ。
ガラス温室などで温度と管理をコントロールしながら管理するのがよいかもしれません。それならば外気温関係なく年中発根管理は可能かもしれません。
「ここから用土への植え替えでまだ不安」
尚、発根は1株出来ましたが、まだまだ安心は出来ないので、またいつか枝を伸ばし、鉢底から根を出した姿でこの株が紹介出来るようになれれば安心です。
やはりパキプス。難しいなぁと感じながらもなんとなく発根方法も確立されてきているような気もします。また最近では輸入される株の鮮度もかなり上がってきました。なので水耕せずとも、最初から用土管理で問題ない気もします。
また鮮度が上がったとは言え、時間と労力はかかります。また株の状態を完全に見分けることは誰にでも出来るわけではなしですし、管理方法を誤ればいくらいい株でも発根はしません。
そう考えると発根済みの株の値段も相応のものですし、未発根株は手頃ですが、成果が出ず、結果、発根済みの株買えたじゃんということになるリスクも大いにありますので、発根管理オタクの人以外はやはり発根済みの株をオススメします。
パキプスは発根すれば強い植物です。発根済みの株を枯らしたという話もあまり聞いたことがありません。一生付き合うかもしれない植物なので、なるべく知識のある人に相談しながら購入しましょう。
次回また挑戦する機会があるかはわかりませんが、誰かの何かの参考になればいいなと思い、このパキプス水耕発根の投稿をひとまず終わりにします。
用土もオーダーする時代。
これは画期的?
ふといつものようにプランツウェブサーフィン(ウェブサーフィンって死語ですかね?)してると見つけました。
なにやら指定した配合で土を混ぜて、パッキングして販売してくれるようです。これは!ということでなろうじゃないですか、人柱に。
カインズのホームページからまずは園芸のページに進みます。
するとトップにオーダーメイド用土のバナーが出てくるのでクリック。これだけ目立つところに出てくるということは力を入れているということですかね。
次に用土を選択します。残念なのは硬質赤玉土がなかったこと。硬質鹿沼はあるのに。あと日向土もないですね。もう少し用土の種類のライナップを増やしてもらえると最高です。でも前提として恐らく多肉やってる人をターゲットにしてないので、そう考えると土の種類は揃っているのかも。あとは粒のサイズがそれぞれどれくらいの大きさなのかの表記も欲しいです。
用土の種類の選択が終わったら次に各用土の割合を決めます。トータルで100%になるように数値を指定します。私のオーダーした配合は写真の通り。普段配合している用土になるべく近い割合を意識しましたが、日向土やゴールデン培養土など無い用土もあるので、そこはそれとなく選べる用土で調整しました。肥料に関しては1ℓあたりのg数で指定出来ます。
最後に容量と袋数を指定します。5ℓ刻みで25ℓまで指定出来ます。そんなに量多いのはいらないよーという人にとっても5ℓ1袋から買えるのは便利。また送料がこの場でわかるのもよいですね。ちなみにカインズでは5,000円以上のお買い物で送料無料ですが、オーダーメイド用土は送料無料対象外のようです。意外と送料がかかるので少量注文の際は要注意です。かといって25ℓを10袋とか買うと送料だけで関東だと5,000円超えるので、そうなるとオーダーメイドで買うのはよっぽどのことがなければやめたほうがいいかも。
ここまで入力したらこれにて注文完了!ではなく、まずは納期の問い合わせ。アドレスと名前を入れたら後日納期をお知らせするメールが届きます。
その届いたメールがこちら。今はさほど混んでいないのか1週間後の発送でした。自分専用の商品ページのリンクが貼られており、そこから通常通りカートに入れて購入の手続きをします。14日以内に購入手続きしなければキャンセルになるようですね。また店頭払いは出来ません(店頭受け取りも不可)。
1週間後の発送と言いながらも支払いを済ませた翌日に発送完了メール。そしてその翌日には到着しました。納期問い合わせから2日ですね。まだきっとオーダーがさほど多く無いのだと思います。
発送元はカインズではなく、別の会社から。調べると用土などの園芸資材の卸の会社のようです。オーダーが入るとその会社に注文が入り、用土の配合、パッキング、発送までしているのだと思います。カインズで扱う用土を混ぜて送ってくれると思ってましたが、製造元で配合して送ってくれるサービスのようですね。土を扱う会社にしっかりと作ってもらえるので安心です。
でもここでひとつ疑問が…カインズでは無い会社から発送される旨の記載ってあったかな…しかも別会社から発送されているということは個人情報が受け渡しされてるということですよね?私が規約とか読み飛ばしているだけかもしれませんが、送り主もカインズではなくその会社になっているので、頼んだ覚えないけど!心配!となる人も中にはいるのでは無いかなと思いました。【追記】ページをよく見るとオーダーメイド用土は「別送品」と明記されていました。ショッピングガイドを確認すると別送品はメーカー直送と書かれているので、メーカーからの発送を承諾したということになっているのでしょう。見覚えのない会社から荷物が届きますので注文する際はお気をつけ下さい。
しっかりと混ぜ合わされています。小粒だと大きさはこれくらい。ただしちょっと粒が揃ってない感じがあります。
微塵抜きは一応されてるようです。ここ一番大事。10ℓふるってでたのはこれぐらいの量。ですが私はくん炭を配合しているので、そのせいで量が増えてます。微塵抜きせずに使えるレベルかと思います。
赤玉は硬質ではないのでやはり使っていると崩れそうな気もします。値段が上がってもいいので硬質赤玉をラインナップに加えて欲しいですね。
使い方としてもちろんこのまま使ってもいいし、あとはラインナップにない用土は別で買っておいて混ぜるのもありかもしれません。ただ、そうすると結果、土作りの手間とかスペースが必要になってしまうのでそれならば自分で最初から混ぜたほうがいいって話ですね。やはり基本的には配合をしてもらって、届いたその土をそのまま使うという利用方法が主になるのかな。
あとは今回、細粒、小粒、中粒とそれぞれの大きさ比較をしたくて5ℓずつ購入したかったのですが、オーダーページの構造上、一度にひとつのパターンの配合しかオーダーできないようかです。別々にオーダーしたものを送料まとめて送ってもらえるのかは不明です。ひとつずつのオーダーに対して送料かかるのであればちょっと厳しいですね。
とはいえ用土を混ぜるスペースや微塵抜きする手間などを考えるとなかなかいいサービスだと思います。これまでは配合もなぁと考えていた方はちょっと一度試してみてもいいのではないでしょうか。私はハオルチア専用の用土はこれからはこちらで頼んでもいいかなと思っています。
今ならまだ納品まで早いようなので是非お試しください。
パキプス水耕管理④【2ヶ月報告】
パキプス発根管理の経過報告です。管理開始から2カ月後。
まずは前回のおさらい。
「湿度が足りず、ゴミ袋で保湿」
前回は一ヶ月経ってもこれといって動きがない3株を目の前に一度管理方法を振り返りました。その結果、問題は湿度ではないかと目処を付けて、それぞれの株をゴミ袋で覆って湿度をキープすることに。見栄えは悪いですが、ゴミ袋作戦は効果があり、湿度は常に100%近くをキープ出来ている様子。引き続き管理方法を変えずに要経過観察!というのが前回の投稿でした。
それから3週間。相変わらずあまり変わった様子のない3株ですが、ふとビニール越しに株を見ると枝がカビているものが!どうやら湿度を高め過ぎた様子…これはまずいと再度ベラボンから抜いてみて株の状態を確認です。
「幹が黒いのは内部に異常の可能性高い」
枝がカビていた株B。顔色も悪く、幹も黒ずんだ場所が増えました。濡らしても緑の箇所もなく、なんと虫も湧いてきています。
「今まで見たことがない傷み方」
切り口をカットしました。少しだけ切ると切り口はまだ新鮮な感じ…パキプスをあまり触ってなければまだいけると思ってしまう切り口ですが、匂いと、幹の様子といい、これまでの経験からこんなはずはないともう少し切り詰めてみるとやはり写真のような状態。こうなるともう発根は希望出来ません。恐らく木質部から腐っていくパターンかと思います。匂いも酸っぱいような、腐ったような、アルコールのような、とにかく不快な匂い。残念ながらこの株とは縁がなかったようです。切り口は新鮮な色でも切り詰めると幹の中は腐り切って空洞という株もあります。そうなるとまだいけると一生懸命管理しても、もう復活することはありません。切り口だけでなく幹の色が黒ずんでくると要注意です。
次に一番大きく重みもある株C。
「こちらも黒ずんだ株」
張りも重さもまだあるけど…こちらも幹が黒ずんできています。うーん、この株も限りなくアウト。カットしてみます。
「中心部だけ黒いのは可能性ゼロに近い」
厳しいですね。こちらも発根の可能性はゼロに等しいでしょう。このまま管理しても一ヶ月ほど経つと樹皮と木質部の間がスカスカになると思います。このように形成層付近が黒ずんだ断面の株はなかなか厳しいです。この株は管理開始時から切り口怪しかったので、発根の見込みは最初からなかったのかもしれません。
「いつも悲しいこの瞬間」
これで3株中の2株が残念ながらお亡くなりになっている状態です。そして最後の届いた時から一番期待が出来た株A。
「ずっと変化がなかった期間から急に展開する新芽」
こちらの株はまだカビが出てなかったので抜く予定はなかったですが、ずっとウズウズしてた枝先端の芽吹きが急に進展していたのでこれは!ということで急遽抜きます。
「しっかりとした根っこ」
「樹皮が裂けて中からも根が」
なんとか一株は…よかった…やっぱり湿度を高めたことに反応してくれたのでしょうか。ここ最近は急に気温は下がったので、発根にそこまで高い外気温は必要ない(とはいっても20度とかでは無理かと思いますが)のかもしれません。ただ、水温は35度をキープ出来ていました。
「ベラボンで包むことで保水性も高める」
発根したら本来はもう少し前の段階で水耕から土耕に植え替えたかったのですが、ここまで根が出てるとは思わなかったので、急遽土に植え込みます。ここでポイントは用土だけに植えるのではなく、根の周りはベラボンで包むようにして植え込みます。こうすることで水耕から土耕にスムーズに切り替えられるのではという推測です。このままなんとか芽が出てきて欲しいですが、季節的にどうでしょう。もう気温もだいぶ下がってきたのでヒーター入れてなんとか管理していきたいと思います。
「ゴツゴツの幹は元気そのもの」
枯れた株とは目に見えてハリも色も違います。このまま管理してなんとか根を伸ばしてもらい、安心株まで持っていきたいところ…
それにしてもやはりパキプス厳しいですね。一時期は未発根株はかなり安くで出てましたが、これから更に輸入されないと言われ、そしてこの発根率ではどんどん値段も上がっていくのではと思います。残念ながら3株中1株しか発根させることが出来ませんでしたが、なんとなーく自分の中でこうすればいいかもという方法は固まりつつあります。長くなってきたので、次週パキプス水耕管理のラストとしてまとめたいと思いますので、お待ち下さい。
「こうして見るとやっぱり立派な株だった」
枯れた株はダメ元で最後は土に植え込みました。絶対に枯れてるという株が発根したという話も聞いているので、可能性は無いとは言えないということで…
パキプス水耕管理③【1ヶ月報告】
パキプス水耕管理の続きです。管理を始めてから1ヶ月の状況報告。
だいぶ葉も出て発根の兆しも見えてきて用土管理に移行します!…と、言いたいですが残念ながら全く進展がありません。一応全ての株から芽吹きは確認出来ますが、ポチッとした緑の点が枝先に見えるだけで、そこからはなんの動きもなく。気温も下がってきて朝晩は涼しくなってきました。これはちょっと心配な状態です。なので思い切って一度根元を確認することにしました。水耕だと用土に比べると気軽に確認出来るのでその点はメリットですね。
「株A。一番期待のできる株」
肌感は1ヶ月前とさほど変わらず。そして切り口も元気そうだが発根の気配もない。
「株B。こちらも切り戻しの必要なし」
わずかにカルスのようなものが形成された跡がある。発根の兆しはあったようだが、今はその気配はない。
「株C。切り口がちょっと不安な感じ」
切り口の写真を撮影するのを忘れてしまったが、一番重くて立派な株だが管理開始時よりも更に切り口が黒ずんでおり、不安な様子。だがもうだいぶ株元まで切り込んでいるのでもう少し様子を見る。幹にはハリはまだあるが緑は見られない。匂いはまだ木の匂い。腐った匂いではない。
という3つの株の状況です。残念ながらカルスができたり、発根の兆しはまだありませんでした。特に株Cは限りなくギリギリな状態です。切り戻した方がいいかと思いますが、結構既に胴体まで切っているので、これ以上は切るのは厳しいかなと判断し、もう少し様子を見たいと思います。でも恐らく用土に埋めていたらもっと傷みが早かったと思います。ということは水耕だと少なからず延命効果はあるようです。
まだ株が枯れた訳ではありません。一旦、ここまでの管理を振り返ります。
■ 水温は35度をほぼキープ。水替えはしていないが、切り口がヌメヌメした感じは無い。
■ ミストはこの期間、仕事が忙しかったこともありほぼ出来ず。出来ても1日1回程度。
■ ハウス内の温度は最高45度最低20度。ただし45度は本当に瞬間的で日中は30度程度。
前回、別の株を春に同様の方法で管理した際は大体3週間ほどで芽吹き、1ヶ月後にはカルスが出来て、そこからチョロ根が出ていました。次はその時の状況と比べてみます。
水温:【春】35度【秋】35度
気温:【春】30度〜50度以上【秋】20度〜35度
株の状態:【春】幹に緑もなく、ハリもない【秋】肌色もよく、幹にハリもある
ミスト:【春】ほぼ毎日2〜3回【秋】数日に1回程日度
ここまでの管理と、春との違いを考えるとやはり今回の動きのない要因は…「温度と湿度」ではないかと思います。
今回の管理では秋に入り暑い日もあるが気温が春の管理時に比べるとさほど高くない(外気温は春と変わらなくとも、太陽の高さが変わり、日中のビニールハウス内の温度は秋のほうが各段に低いです)こと、そしてそもそも秋のカラッとした空気に加え、ミストも出来なかったので湿度を維持できなかったことが、パキプス達を目覚めさせる事ができなかったのではないかと推測します。
「見かけはこだわってられないのでなんとしても」
これらの原因を打破するためには、とりあえず湿度を維持することを目的に基本的な管理方法は変えずにゴミ袋を被せて、温度と湿度を確保します。なんとも原始的な方法ですが、サボテンを蒸し作りしたい時はゴミ袋に入れて管理するという話も以前大先輩から聞いたことがあるので理にはかなっているのかもしれません。見掛けはオシャレさもなにもありませんが、とにかく生かす事が大事なのでそうは言ってられません。春や夏であれば高温になり過ぎて一発アウトの可能性もありましたが、今の時期であればそこまで暑くなることもなさそうです。被せてからちょくちょく手を入れて確認してみましたが、周りに比べると明かにムワッとした感じで効果はありそうです。これでどこまで持ち直すのか・・・10月に入り気温もいよいよ下がってきたのでそう時間はありません。更に気温が下がると、今は一本ずつ覆っている袋をもっと大きなサイズでひとまとめにし、簡易ヒーターで保温したいと思います。
1か月後の様子はこういった感じでした。到着時は元気そうですぐに発根するのではと期待しましたが、なかなかパキプスはやはり一筋縄ではいきません。
パキプス水耕管理②【根元処理/管理開始】
前回の続きです。今回は根の処理と管理開始のところまでです。
まずは株の状態のおさらい。全ての株を少し切り戻しました。
「一番小さいけど一番期待出来そうな株」
株A。こちらは発根が期待出来そうな状態です。幹にもボコボコが目立ちます。
「切り口から樹液が染み出して変色してます。樹液は発根を阻害することも」
株B。こちらは管理次第。黒くなってダメそうな感じですが、この黒いのは樹液が切り口から染み出してるからです。なのでそこまで状態が悪いわけではありません。
「根本まで切り戻して少し怪しい」
株C。いや、かなり怪しい。時間をあまりかけずに芽吹きまで持っていかないと厳しそうです。
「奥から発根可能性高→低」
右からA、B、Cです。このうちの2株はなんとか発根出来ればいいなと思いながら今回は管理を開始させたいと思います。今回は今のところ株Aは見込みがありそう。逆に株Cは既に生きているのかもちょっと怪しい。切り戻しの際は株Aくらいの断面を目指しましょう。たった今まで地面に植えられていた木を切ったように新鮮です。カットには消毒済の剪定ハサミを使いました。
切り戻しの後は水耕管理を始める前の処理をします。
まずはオキシベロン40倍希釈に6時間漬け込み。そして一度乾かし、ゲッター1,000倍とダコニール1,000倍を混ぜたものを切り口に塗り殺菌処理、おまじない程度のルートンを最後に付けて再度乾燥させます。
尚、この分量、処方ですが、私の経験に基づいており、一切学術的根拠はありませんのであしからず。また水耕で管理するのにこのステップがどれだけ有効かも必要かもわかりません。
ただし、根の成育を促進するのは植物ホルモンのオーキシンという成分でオキシベロンはオーキシン系の薬剤です。どの程度有効かはわかりませんが、投与しないよりはやった方がよいかとは思います。が、高濃度、長時間での過剰摂取は生育不良につながる可能性がありますので何事もほどほどに。植物ホルモンに関しては現在勉強中です。
おさらいすると薬液の希釈と処理は以下の通り。
① オキシベロン40倍 → 6時間 → 乾燥
② ゲッター1,000倍 + ダコニール 1,000倍 → 乾燥
③ ルートン
根の処理が終わるといよいよ水耕管理開始です。
今回は上記の書籍で紹介されていた方法で水耕管理するのですが、従来と大きく違うのはそのまま水につけるのではなく、ベラボンで包んでから管理する点です。何の為かというと一般的には水耕で出た根は水の中でしか生きられない坊主根と言われています。坊主根の特徴としては分岐せず、真っ直ぐに白い根が生えます。この根をそのまま土に植えたところで土中では生きられず、また新たに土に適した根を出すこと(即ち再度発根管理をする)を始めなければなりません。しかし、今回のようにベラボンで包み、発根確認出来たら、ベラボンごと土に植えることで水耕から土への移行がスムーズに出来るのではないかという仮説です。
「一人で片手で作業は少し大変」
ベラボンはSサイズ以外はブロックタイプなので注意。水で戻した後に株元を包むようにベラボンを水切りネットで包みしっかりと結びます。苔玉を作るようなイメージです。しっかりめにベラボンは入れておかないと株がグラグラして発根した場合、根が切れる場合があるので注意。また隙間が多すぎると通常の水耕管理と変わりません。この作業を一人でやるのが結構大変だったので誰かに手伝ってもらった方がいいかも。
そして私はその株に更に気泡緩衝材(いわゆるプチプチ)を巻く事で直射が当たるのを防ぐのと、湿度を保てるようにします。これで株の処理は完成です。
そして水耕の設備ですが、スーパーで貰ってきた発泡スチロールの箱に穴を開け、素焼きのラン鉢をセッティングしました。
「水槽での管理でも可」
書籍の中ではエアレーションで水中に酸素を入れてあげるとありましたが、私はそこまではしません。水中には水槽用ヒーターを仕込んでおり、水温は35度でキープします。外気温はこの株を管理スタートした9月頭の時期だと晴天時でハウス内は50度を超える時があります。これだけの高気温は根の無いパキプスにはあまり良く無いのですが、サーキュレーターを回しハウス内の空気を動かすことでなんとか回避出来ているのではないかなと思います。ただ現地の気温は通年で35度を超える月はありません。それを考えると理想としては水温と同様に外気温も35度程度での管理がよいのかなと思います。
「水温は35度。それより若干高くても良いが低いのはダメ」
ちょうど今から徐々に最高気温は落ち着くかと思いますので、我が家ではそこまでシビアに温度管理はしません。ただし暑いより寒いの方が要注意で今秋はあまり天候も良くなく、涼しい日々が続くので少しそこは心配です。
「屋外でも良いが屋根があり、遮光は必要」
株を設置したらあとは適度なミスティングで様子を見ます。本当は水換えもした方がいいのかと思いますが、発根途中の株はなるべく動かさずに管理した方がいいので、まずは私は特に水換えはせずに様子を見たいと思います。
発根の兆しは芽吹きです。ただし気を付けなければいけないのは「発根したら芽吹きますが」、「芽吹きがあったら発根している」ではないこと。ちょっと分かりにくいですね。要は発根の兆しがある株は芽吹きます。必ず葉にも動きがあります。が、芽吹いたからといって、必ず発根している訳ではないということ。
ひとつのポイントとしては芽吹きから葉が開くまでの早さを参考にします。枝の節に緑が見えて芽吹きが確認出来てもずーっとその状態から動きがないのであれば、発根してない確率の方が高いです。しかし緑が見えるなと思ってからすぐに葉が展開するようであれば発根兆し有りの可能性が高いです。もっと分かりやすい基準としては枝が形成されたら発根した!と言われていますが、今回は出来れば発根初期の状態で土植えに移行したいので、注意深く株を観察します。この辺りは言葉で伝えるのは非常に困難で、株を実際に見た時の雰囲気であったり、生気を感じるとか感覚的な部分が大きくなってきます。
以上で株の処理から水耕開始までの一連の流れでした。まとめると今回の管理方法は水耕で根を出してある程度そのまま育ててから土植えに変えるのではなく、水耕管理で株元に何かしらの反応、発根の兆しが見えたところで土に変えてそのまま根を伸ばしてもらおうという管理方法です。
「管理開始後6日で芽吹きを確認出来た」
これらの処理をし管理を開始してから約1週間で早くも全ての株で芽吹きを確認出来ました。まだよーく見ると緑が見えた程度なのでもちろん抜いてみたりはせずに同じ管理を継続します。ここで色々管理を変えないことがひとつ大事なポイントでもあるかなと思います。
これからまたしばらくはあまり動きがないかと思いますが、寒くなる前には芽吹きまでもっていきたいところ…発根100%はなかなか難しいかと思いますが、少しでも長年生きてきた株が枯れることのないように、少しでも悲しい思いをする人が減るようにしっかりと責任を持って管理をしていきたいと思います。
最近のあれこれ。
ご無沙汰しております
なかなか更新出来ずにすみません。生きております。プライベートでドタバタしておりましたが、なんとかまたちょくちょくと植物を見る時間が作れそうです。ということで最近の目についた写真を適当に。
ずっといつ開くかなとウズウズしていたウィンゾリーの種鞘がようやく開きました。
バロニー混じりなしの純血ウィンゾリーです。ただし、自家受粉。種はウィンゾリーの種ですが、シイナの可能性が高いですね。全部で25粒取れました。次はこれから秋も深まるこの時期に採り蒔きするか、来春まで冷蔵庫に眠らせるかですが、思ったよりも種も採れたので半分は蒔いてみることにします。発芽すれば誰かに譲ってもいいですしね。
好きな種。そして今、一番実生がしたい種。亀甲竜みたいにめっちゃバキバキになるのでカッコイイのにイマイチ人気がありません。
花もカッコイイですよ。ちょっと臭いけど。どこをどうやれば受粉出来るのかわからず、虫に頼りたいのですが、ここのところ天候悪くてなかなかそれもうまくいきません。今年も種は難しいかなーと思います。
ピグマエアがしばらく家を空けて帰ると種がついていました。雄株は今年咲いてないのになんでだろう…と思ってましたが、雄株どうやら留守中に少しだけ咲いてたみたい。今日見ると小さな蟻がウロウロしてました。こいつらがうまくやってくれたみたいですね。
咲いたイポメア。一瞬で次の日にはもう枯れていました。儚い命。
アドロは雨晒しの半日日陰の場所で管理。見ての通りプリプリです。ここのところ涼しかったのもありますが、案外平気ですね。冬型だと思い込んでの管理も危険です。特に我が家ではクラッスラを毎年夏にカリカリに枯らせてしまいます。ある程度暑い時期でも水やりは必要ですね。他のアドロの場所も移動させようかと思います。
生きてる?枯れてる?4月から管理して最初は水耕でしたが、反応無く土植えに変えました。芽吹きは多数、ただし葉は開いてきません。幹は緑色で樹液もだくだく。でもどうでしょう。生きてるか死んでるかは半々ですねー。
そして新たに3株管理を始めました。ちょっと不安な感じですが、どうなることやら。
色々とまとまりのない内容になりすみません。こんな感じの日々でした。
パキプス水耕管理①【株到着】
今回はパキプスの水耕発根について投稿したいと思います。
出版されている塊根植物の書籍の中でもパキプスの水耕発根について言及しているものはありますが、実際に管理方法としてどうなのか。水耕で発根しても、その後に土に植え替えてからは?なんてみなさんが気になるところも検証してみましたので、参考程度にご覧ください。尚、一般的には数多くパキプスの発根管理をされている方々の間では水耕栽培はあり得ない管理法とされているようです。なので今回の内容は、決してこれからパキプスの水耕栽培をしようという方へ全員にオススメ出来る方法ではありません。もしこの管理方法をするのであれば各自の自己判断の元で参考にしてください。
今回はまずは株の状態確認と下処理、管理環境までの紹介です。
「今回、発根管理をする株」
今回管理するのは業者の方から直接仕入れた8月輸入の株です。どれもパッと見の質感や幹の状態はまずまずですが、根の切り口を見ると主根が短かったり、切り口も雑で少し心配な株もあります。でも今の時点では枯れている様子ではないので、ここからの管理次第でしょうか。
ここ最近、輸入されているパキプスはしっかりと現地で発根させてから抜いてすぐに出荷されている株も多く、鮮度がいいものがたくさん入ってきているようです。現地でしっかり根出しをしてからスピーディーに輸出するノウハウが出来たのでしょうか。貴重な命を少しでも生かすためにいい傾向だと思います。これが安定して続けば本当にいいのですが…
「パキプス自生地の気候」(引用:旅行のとも、ZenTech)
これはパキプスの現産地トゥリアラの年間の気温と降水量です。日本とは季節が逆の気候で、11月〜4月の蒸し暑い雨季と、5月〜10月の乾季に分かれます。パキプスの成育期はもちろん11月〜4月の雨季です。と考えると日本に8月に入ってきた輸入株は現地では休眠期の乾季に掘り出された株ということですね。ただ乾季といっても日本のように最低気温が0度近くまで下がる訳ではなく現地の平均最低気温は15度程度です。
休眠期にはパキプスは葉を落としているのかまでは情報として掴めませんでした。ただ今思えば、日本で秋から冬にかけて輸入される株は青々とした葉が残っているものが多く、春から夏にかけて輸入される株は葉が残っていない株が多い気がします。最近は現地で葉を落としてから輸入しているのかな?なんて思っていましたが、実際のところはどうでしょう?(あと可能性があるのは成長期の輸入株は現地で葉を毟って落としてから送っているのかもしれませんね)
そして最も気になるのが輸入時期による生存率の違いです。一般的に輸入株は植え替えと同じで休眠から成育期に入る頃(芽吹き始め)に掘り起こされ、輸入された株が一番生存率が高く、活着が容易だと聞きます。ただ、現地の成育期の雨季に合わせて輸入するということは日本は寒くなる秋から冬の時期です。その時期に抜き苗を管理出来る設備がある人となれば限られてしまうのではないでしょうか。
今回のように日本に夏に入ってきた株は休眠期真っ只中に輸入された株。でも乾季のこの時期はほとんど雨が降らないマダガスカル。乾季を乗り越える為に体力を十分にもった株とも言えると思います。
少し脱線しましたが、今回の株も状態は悪くなく、中には土に植えてもすぐに根を出しそうな様子の株もあります。が、そこは皆さんに少しでも有益な情報を伝える為に今回は水耕で管理します。
ちなみにですが、だいぶ気付いてる人は増えてきたとは思いますが、タンクがあるからといって発根には何も関係ありません。むしろ、腐ったタンクが発根を阻害している場合の方が多いのではないかと思います。
「タンクがあっても安心ではない」
この株は以前発根管理していた別の株です。立派なタンクが付いていましたが、見てお分かりのように真っ黒で死んでおり、カビまで生えていました。一切発根の可能性もありません。タンクが付いていると新鮮、発根確率が高いという説が何故か定着してしまい、業者でも稀にタンクがあって発根容易です!なんて謳う方がいらっしゃいますが、全くのデタラメなのでお気を付け下さい。
強いていうのであればタンクがある分、鮮度のいい切り口まで切断できるチャンスが増える程度です。ただそれはタンク無くとも主根が長く残っている株も同様です。タンクは全てダメな可能性が高いので、あまり意味はないかもしれません。この写真の株もタンクは全て腐っており除去しました。ちなみにこの株は発根成功しており、鉢底から根を伸ばしています。
とはいっても最近は購入する側のお客さんの選択眼もレベルが高くなってきているので、業者側はあまりいい加減な販売も出来なくなってきたように感じます。となると、他の業者にお客さんを取られないように、仕入れる株のレベルも上がるので、私たち趣味家側にとってはいいことですね。
・枝にしなりがある、皺が入っていない、枝が残っているか。
・主根は残っているか。胴付近まで切り詰められていないか。
・幹が黒ずんでいないか。
・木の匂いはするか。酸っぱい匂い、アルコールのような匂いは危険。
・タンクがある、葉っぱが残っているは目安にはならない。
・適正価格か。極端に相場より安くないか(ココ大事!)
ではまずは根元の処理をします。この切り戻しの工程が発根の成功を大きく左右します。よくあるのが何の処理もされずに真っ黒な切り口のまま植えられているパキプス。どこから根が出るの?状態で当然水分を吸い上げることはないので、常に株元は濡れており、それが更に腐り、カビの原因となります。思い切って元気な層まで切り戻しをしましょう。逆に言えば、主根が残っていて、切り戻して元気な層が出て来たのであれば、まだ発根のチャンスはあるということです。ただしそれが胴体部まで切り戻しをしなければいけない状態になると一気に確率は下がります。そういう意味で先ほど主根が長く残っている株はチャンスが増えると書いたのです。
「同様の水耕管理で発根した株」
この写真は私が水耕で管理していた別のパキプスの発根直後の様子です。形成層付近にカルスが出来、そこから発根しているのがわかるでしょうか。稀に脇から発根することもあるようですが、しっかり生きた根が出るのはやはり切り口の形成層付近からのようです。それなのに、その組織が死んでいたらそりゃ発根はしません。だからこそ切り戻して生きてる組織を見つけることが発根成功における大前提で非常に大切な作業です。
このことはネットでしかパキプスを買えない人の参考にもなります。切り口の組織が死んでいると発根の確率が低いということは販売者側もわかっているので自分の仕入れた株に自信がない、発根の可能性が低いとわかってる方は株の切り口の写真を掲載していません。逆に自分の株に自信がある方は切り口の写真を掲載されている方が多いです。形がいいけど、生きてるかわからないなーと悩んだ時は株の根の切り口の写真を依頼してみましょう。もちろん鮮度のいい切り口=絶対発根ではありませんが、一つの目安にはなると思います。もっとも先ほども書いた通り、最近はパキプスを買う時は切り口までちゃんと見ることが購入者側にも定着してきているので、写真を載せずにごまかして状態の悪い株を販売する業者が生き残っていけるとは思いませんね。
またこれらを考えると実店舗においても未発根株は鉢植えよりも抜き苗の方がオススメできます。
とここまででかなりの長文になってしまいましたので一旦区切ります。次回こそ根の処理、管理についてです。
大丈夫。ちゃんとなんとかなってます。
あれからどうなったのか
報告無ければお察し下さいと言っていた自家採種ロックウッディの種蒔きですが、経過報告です。
バーミキュライト 24/32
細目多肉用土 23/32
各鉢10粒ずつと前回のブログでは書きましたが、8粒ずつでした。なので計64粒中の47粒発芽と73%の発芽率でした。まずまず?ですかね。もっとちゃんと管理していたらもう少し発芽した気がします。用土はどちらがいいとはまだわかりません。発芽だけだとあまり差はないですが、多肉用土の方は結構発芽しなかった種がカビてしまっています。でもバーミキュライトは発芽しない種もカビてませんね。
発芽直後の苗。白いまん丸の根が可愛いです。
既にヒョロヒョロの苗はたぶんこじらせて秋になる前には消えそうな気がします。私がハオルチアを実生するとどんな品種でもヒョロヒョロになってしまうのは何故…発芽後の光量をミスってるのでしょうか。勉強せねばです。
こいつらはこのまま1年くらいは腰水で管理します。残りの40粒くらいはまた秋に蒔こうと思いますが、なかなかの発芽率なのでヤフオクとかで譲っちゃってもいいかなぁと思ったり。うーん、どうしましょう。
嬉しい展開。
まさかの!
嬉しいことに今年はグラキリスに種がつきました。
なーんもしてない、むしろ自分で受粉させるとすぐに花を落としてしまうのにいつのまにか結実してました。虫さん、あざっす。こちらは小さい株なので2鞘で10粒程度しか取れませんでした。
もう一株はまさかこんなに早く弾けるとは思わずに気付いた時には一つの鞘の種は全てどこかへ…すぐに水切りネットかけて、もうひと鞘からはしっかりと10粒くらい取れました。
早速、種を蒔こうと思います。が、残念ながら何かとの交配種の可能性が高いです。同時期に咲いてたのはエニグマチカムとウィンゾリーとグラキリス。正解がわかるのは何年先でしょう。
その時に咲いてたウィンゾリーがずーっと花を咲かせ続けてます。そしてなんと結実。こちらも虫のおかげ。結実した段階ではウィンゾリーしか咲いていないのでこちらは正真正銘。でも自家受粉なのでどうでしょう。自家受粉の場合は鞘が落ちるか、シイナの可能性が高いです。まぁあまり期待し過ぎず、ただし楽しみに待つことにしましょう。
これも実験!
何年先を見据えて…
今年そこら中で見かけるパキプスの実生苗を私も買っています。
梅雨もずーっと外に出していたら長雨で数株、全て葉を落としてしまいましたが、また復活してきたようです。今日はこの中から2鉢だけ我が家の多肉用土に植え替えたいと思います。
元から植えられてたのはこんなほぼ100%腐葉土のような土。排水性?なんですかそれ?みたいなレベルで乾かない土です。でもこれくらいずっと濡れてた方が幼苗にはいいとの意見もあるみたい。普段、すぐに乾く土を使っている私にとっては考えられないんですけどね。
抜いてみました。確かに立派に育った塊根。上とのバランスがおかしい。
うん。これが将来的にはタンクになるんですね。イイ根!
今回は多少保水性を持たせるために余っていた野菜用の土を混ぜました。これで2株が植え替え済、3株が購入時の土のままの5株です。
ちょっと試してみたいこともあるので、ハウス内では植え替え済1鉢と購入時のままの土が1鉢の計2鉢を管理。
屋外では植え替え済1鉢と購入時のままの土が2鉢の計3鉢。
環境を変えて管理すると今後どう成長に差が出るのか試してみたいと思います。実験結果は来年の春ですかね。冬に落とさないことを願っていて下さい。
多肉週刊誌。
なんとか生きてます。
梅雨の長雨に嫌気がさしてブログ、サボっておりました。どうもすみません。梅雨が明けて一気にわーっと暑くなって、それもそれで庭仕事が出来なくて困ったものです。
今日はこんな本が発売になって予約してたのが早速届いたのでちょっと紹介します。
数年前は国内での塊根植物の書籍は皆無でしたが、今やブームに乗せられて今度は若干供給過多になりつつあります。実用書で難しいのが"絶対"が書けないこと。「絶対花が咲く管理方法」「絶対に枯らさない育て方」こんな見出しって魅力的ですが100人読者がいれば100通りの飼育環境があって、誰もにとって"絶対"なんてあるはずがありません。そこで絶対なんて書いたら「お前が絶対枯らさないって言ったのに枯れたじゃないか!」となるのが目に見えています。
でもだからこそあまり踏み込んだ内容に出来ずに当たり障りのない似たような内容の本が次から次に出ている現状ですが、ちょっとこの本は帯を見ても様子が違いそう。だって「完全発根」なんてワードは趣味の園芸では使いません。そして中央には「WEB情報を超えた」という文字が。攻めてますね。似たような書籍が多いからこそこういう帯は大事です。そしてパキプスを完全発根させようという人は初心者ではないでしょうから、知った情報ばかりの書籍に飽き飽きしている層も惹きつけられそうです。
この書籍、実はその前に発売されたコーデックス本と同じ方が編集されています。
なかなか評判の良かった本ですが、内容的には初心者〜中級者といったところでした。新しい本はその一歩踏み込んだ内容としての位置付けです。
内容は大きく分類すると潅木系、パキポ、アガベ、ビカクシダの4つに分かれます。
それぞれの分類で品種の紹介と植え替えなどの読み物で構成されています。アガベ、ビカクシダを入れたのはブームを押さえてるところ。流行りは来ていますが、今までこの辺りがページ割かれて取り上げられた書籍ってあまりなかったですからね。他の類似書籍との差別化は図られています。
そしてこの4つの分類の植物以外は一切掲載されていない潔さ。多肉植物を始めたばかりでもっと他にも色々な植物を見たい!という方はどうぞ他の書籍をお読み下さいと。でも全くその通りで多くの属、多くの品種が見たい、知りたい方にはオススメは出来ません。そうした方は前に出したコーデックス本を読んでねということでしょう。上手いですね。
アガベ、ビカクシダは私の範囲外なので省略しますが、潅木系、パキポでいうと今までもあった品種紹介だけで終わらずにそれぞれ特集を組んでいる作り方は見事です。品種紹介している本は既にたくさんありますからね(珍奇植物はそうした本になってしまっていました)。
例えば潅木系でいうとこの本の一番の目玉とも言えるパキプスの発根管理についてです。未発根株を買っても根が出る確率が1割、2割と言われるパキプス。その発根管理について本に書いちゃおうというのはなかなか思い切った決断です。発根が難しいということはこの本見て、同じ管理して、根が出ないじゃないか!と言われる確率が高くなる訳ですから。
内容は要は水耕で発根目指しましょうという内容ですが、今まで他の書籍やネットではあまり書かれてこなかった生きた株の見分け方や根の処理、少しでも発根率を上げるヒントのようなものがたくさん書かれています。これと同じ方法で100%発根!というのはやはり、なかなか厳しいかとは思いますが、しっかりと根拠が書いてあるので知っておいて損ではない情報かとは思います。この辺りは編集者の方のこれまでの知識や経験、取材が反映されているのでしょう。
更にタイミングよく、一時は止まっていたマダガスカルからの荷物がまた今月頃から入ってきており、パキプスも抜き苗がたくさん出回っています。本の発売の時期もちょうど良かったのではないでしょうか。
パキポのページでは品種紹介は自生地写真が多めで嬉しいです。私は洋書の「Pachypodiums in Madagascar」というパキポ本を持っていますが、みんながみんな所持している訳ではないですからね。ちなみにBplantsに載っている自生地写真は「Pachypodiums in Madagascar」の著者であるWalter Roosli氏から写真を提供してもらったそうです。
戻ります。パキポのページではあと接木について。
これはとても面白かった。今までパキポの接木を紹介する本なんて無かったですから。世界的にも初ではないでしょうか。あとはとんでもなく実生を作るのが上手いモツ屋のおじさんの紹介とかも面白い。
と、一読して気付きました。これは実用書ではなくて雑誌です。メインの品種紹介があって、ちょっと胡散臭かったり、ちょっとアングラな人が登場したり、まるで週刊誌を読んでるよう。こうしたアプローチの植物本は初めてで、そう思うとなんだか倍楽しく読めました。編集者がここまで考えてたのだとすればお見事ですし、まんまとハマってしまいました。
ただ週刊誌だ!というだけにもう少し紙の質を下げてもいいので1,000円以内とかに収めてくれるとより素晴らしかった。そしてもっと遊んだ内容でもよかったのかなと思います。ただ他の本との差別化は出来ていますし、これなら最近供給過多気味の植物本に飽き飽きしていた人にとっても勧められると思います。
塊根ブームはだいぶ落ち着きつつありますが、だからこそ、少し違う角度からのアプローチが求められます。この本はそこをしっかりと意識して作られたよい本だと思います。取り上げられている4つの品種に興味がある方は是非手に取ってみて下さい。
ビザールプランツ ― 灌木系塊根植物からアガベ、ビカクシダまで、夏型珍奇植物最新情報
- 作者: 主婦の友社
- 出版社/メーカー: 主婦の友社
- 発売日: 2019/07/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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今年の楽しみ。
先日採れた種を蒔きます。
実生ヘタマンですが、せっかくなので自分で蒔くことにしました。保存して秋に蒔くか、それともフレッシュな内に採り蒔きするか、どうするか悩みましたが、ハオを上手く作る方が秋蒔きよりも暑くなる時期でも採り蒔きの方がいいとブログに書かれていたのを見て、とりあえず蒔くことにします。
何度も言っているように私はハオルチアの実生がとことん苦手です。なので今回はちょっと今までとは別の方法で蒔くことにしました。ちなみに今まではカクタスニシさんが提唱されているボトル蒔きです。この蒔き方自体は素晴らしいと思うのですが、我が家では全くハマりませんでした。
今回は比較対象として用土を2種類用意。
ひとつ目はいつも使っている粗めの用土に表土はバーミキュライトを敷いたもの。
そしてもうひとつは3号鉢以下に使っている細かい目の用土。どちらもマグァンプを少量。
微塵を流した後にベンレート2,000倍でもう一度灌水します。腰水は今回は1年くらい継続する予定です。
見た感じただの土ですが、全ての鉢に10粒ずつ播種。それでもまだ余っているので100粒くらいが3鞘から収穫出来たみたいですね。
発芽に日照は不要なので屋内の棚下へ。大体18℃〜20℃あればいつ蒔いても問題がないようです。そしてこの部屋は我が家のペット部屋なので真夏は24時間クーラーなので蒸れることもないと思います。
あとは問題無ければ2,3週間で発芽すると思います。が、そもそも発芽能力があるのかという心配…ネットで見る他のハオルチアの種と比べると、どうも種子が小さくて熟れてない感じなんですよね。とりあえず蒔き終わったので、これからどうなるか心配であり、楽しみです。この後の報告が無かったらお察しを。
ひとつの目標。
これは種が取れるまでの物語
植物を育てる人にとって自家採種の種で株を育てることは目標であると思います。私もその楽しさに目覚めており、オベサから始まり、昨年はオトンナヘレイ、今年はオトンナクラビフォリア、来年は鉄甲オベサ、プセウドリトス 、将来的にはカカリオイデスの自家採種、実生株を作り上げることが目標です。
今回は上記には入れませんでしたが、特別な思いのある品種のお話です。
Haworthia lockwoodii
これは私がまだ植物にさほど詳しくなくて、ハオルチアなんかも持ってなかった頃に植物先輩にすげーかっこいいハオルチアがあると教えてもらった品種。あまり最初は興味がなかった草ですが、いつの間にかその枯れたように見えても生きる葉姿に魅了され、国内に売ってないならと海外から輸入し、そして自ら種を取ることが目標になっていました。
幸いにしてその目標が叶ったので一度まとめます。
2018/5/27
そもそも株を入手しなければ種も取れません。
今では疎遠になってますが、数年前は東京近辺で開催される植物イベントには95%顔を出してました。その出席率でもロックウッディを見ることはほとんどない。それならということで、色々な海外の園に声を掛けまくって3年くらい前から毎年輸入しています。
今回種をつけたのは残念ながら輸入して、最初からそれなりのサイズだった株。最終的には自分で蒔いた種から開花させ、種を取れたら素敵ですが、ただでさえ成長の遅い品種なので、そこに到達するにはもう少し先の話。だけど兎にも角にもまずは自分の家で種を取らなければなりません。
2019/4/20
輸入した株はまずはしっかり根を出すことから始めないといけません。ハオルチア全般で言うと発根は容易なのですが、ロックウッディに関しては少し気を使わないといけない感じ。毎年仕入れてると書きましたが、毎年2,3株は発根管理の段階で枯らします。ただし発根さえしてしまえば成長は遅いけど、あまりデリケートにならずとも管理出来る印象。ネットでは難物と書かれることが多いですが、そんなに気を遣っていません。今のところ発根した株に関しては枯らしたこともありません。
未発根から約1年間管理して翌春に花芽を上げました。ただし同等サイズの株が他にもありますが、花芽を上げたのは結果的に2株のみでした。他のハオルチアは小さくても立派に咲いてるんですけどね…
2019/5/23
まず一株が開花し、でも今年は他の株と花が合わないかなー、別品種と交配かなーと思ってるとどんどんもう一株も花芽をあげて開花。もう一株が十分に花粉が取れるようになったので受粉作業をします。諸先輩方の知恵に倣って天気のいい午後に。
2019/5/31
ネットなどで見た数名の方の意見をまとめるとロックウッディは種を取ると回復まで時間がかかるとのこと。それを聞いていたので受粉作業は控えめに…無事に結実していました。
2019/7/3
ハオルチアの種をしっかり自分で受粉させて取るのが初めてだったのでいつ収穫時かワクワクしながら1ヶ月。鞘が茶色く、カラカラになった頃が収穫時です。鞘の先も割れてきていたのでこの時点で花芽をカットして鞘から収穫しました。
鞘の中には規則正しくビッシリと。
3鞘から合計50粒弱の種が取れました。写真に写ってない一鞘はタイミングが遅れてしまい、何粒か種が溢れてしまっていたのと、鞘を割る際に何粒か弾けて飛ばしてしまいました。慎重に慎重にですね。
親株の姿。お疲れ様でした。
ハオルチアの実生はこれまでに何度か種を買って挑戦してますが実は手元に残っている株はゼロ。そんなハオの実生下手マンな私が蒔いていいものなのか悩んでいます。
それなりに綺麗な親株なので、それなりの素質は持った種。ロックウッディの種自体がそんなに出回るものでもないので、種を蒔きたい人に譲るべきなのか…
とは言えもちろん少しは蒔こうかと思っているので、効果的なハオの実生方法があれば是非教えてください。毎回、ニシさんのボトル播種をしているのですが、私には合っていない…
何年先になるかもわかりませんが、いつかはこの種の株から更に種が取れることを夢見て…これだから園芸は楽しいですね。
雨雨雨雨。
今日も雨。
1週間以上太陽を見ていない気がします。そろそろ雨晒しにしている株も少し心配。
雨で植物いじりが出来ていないので今日も最近の撮りためから。
" Cyphostemma betiforme "
先日、帰省の際に買ったベティを植え替えました。根の写真はないですが、ワサワサ発根していて安心でした。ずっと探していたベティ。やっと理想の形に出会えた気がします。
" Aloe castilloniae "
昨冬に寒さで枯らしたカスティロニアエも。子株が2つ出ています。その割にはお得なお値段でした。今にして思えば枯らしたカスティロニアエは雑種だったのかも。やはりこっちが私の思うカスティロニアエです。
届いた苗を全て植えました。今年はあと一箱オーダーしているのですが、それがなかなかステータス進まずにヤキモキしています。まだ発送もされていません。聞くたびに「next monday」や「tomorrow morning」なんて言うくせに嘘ばっかりで全く発送されません。これはちょっと怪しいパターンですが、でも有名なところなので詐欺とかはまずないかと思います。なかなか困ったもの。まぁそんなに高額のオーダーでもないのでこの時期、梅雨終わりまでゆっくり待ちましょう。
受粉下手マンなので私の力を貸すと逆に種が出来ないのですが、今年は虫さんのおかげで種鞘が。でも同時期に3品種咲いてたので、交雑してる可能性が大。無事に種が取れてから考えましょう。