ひとつの目標。
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これは種が取れるまでの物語
植物を育てる人にとって自家採種の種で株を育てることは目標であると思います。私もその楽しさに目覚めており、オベサから始まり、昨年はオトンナヘレイ、今年はオトンナクラビフォリア、来年は鉄甲オベサ、プセウドリトス 、将来的にはカカリオイデスの自家採種、実生株を作り上げることが目標です。
今回は上記には入れませんでしたが、特別な思いのある品種のお話です。
Haworthia lockwoodii
これは私がまだ植物にさほど詳しくなくて、ハオルチアなんかも持ってなかった頃に植物先輩にすげーかっこいいハオルチアがあると教えてもらった品種。あまり最初は興味がなかった草ですが、いつの間にかその枯れたように見えても生きる葉姿に魅了され、国内に売ってないならと海外から輸入し、そして自ら種を取ることが目標になっていました。
幸いにしてその目標が叶ったので一度まとめます。
2018/5/27
そもそも株を入手しなければ種も取れません。
今では疎遠になってますが、数年前は東京近辺で開催される植物イベントには95%顔を出してました。その出席率でもロックウッディを見ることはほとんどない。それならということで、色々な海外の園に声を掛けまくって3年くらい前から毎年輸入しています。
今回種をつけたのは残念ながら輸入して、最初からそれなりのサイズだった株。最終的には自分で蒔いた種から開花させ、種を取れたら素敵ですが、ただでさえ成長の遅い品種なので、そこに到達するにはもう少し先の話。だけど兎にも角にもまずは自分の家で種を取らなければなりません。
2019/4/20
輸入した株はまずはしっかり根を出すことから始めないといけません。ハオルチア全般で言うと発根は容易なのですが、ロックウッディに関しては少し気を使わないといけない感じ。毎年仕入れてると書きましたが、毎年2,3株は発根管理の段階で枯らします。ただし発根さえしてしまえば成長は遅いけど、あまりデリケートにならずとも管理出来る印象。ネットでは難物と書かれることが多いですが、そんなに気を遣っていません。今のところ発根した株に関しては枯らしたこともありません。
未発根から約1年間管理して翌春に花芽を上げました。ただし同等サイズの株が他にもありますが、花芽を上げたのは結果的に2株のみでした。他のハオルチアは小さくても立派に咲いてるんですけどね…
2019/5/23
まず一株が開花し、でも今年は他の株と花が合わないかなー、別品種と交配かなーと思ってるとどんどんもう一株も花芽をあげて開花。もう一株が十分に花粉が取れるようになったので受粉作業をします。諸先輩方の知恵に倣って天気のいい午後に。
2019/5/31
ネットなどで見た数名の方の意見をまとめるとロックウッディは種を取ると回復まで時間がかかるとのこと。それを聞いていたので受粉作業は控えめに…無事に結実していました。
2019/7/3
ハオルチアの種をしっかり自分で受粉させて取るのが初めてだったのでいつ収穫時かワクワクしながら1ヶ月。鞘が茶色く、カラカラになった頃が収穫時です。鞘の先も割れてきていたのでこの時点で花芽をカットして鞘から収穫しました。
鞘の中には規則正しくビッシリと。
3鞘から合計50粒弱の種が取れました。写真に写ってない一鞘はタイミングが遅れてしまい、何粒か種が溢れてしまっていたのと、鞘を割る際に何粒か弾けて飛ばしてしまいました。慎重に慎重にですね。
親株の姿。お疲れ様でした。
ハオルチアの実生はこれまでに何度か種を買って挑戦してますが実は手元に残っている株はゼロ。そんなハオの実生下手マンな私が蒔いていいものなのか悩んでいます。
それなりに綺麗な親株なので、それなりの素質は持った種。ロックウッディの種自体がそんなに出回るものでもないので、種を蒔きたい人に譲るべきなのか…
とは言えもちろん少しは蒔こうかと思っているので、効果的なハオの実生方法があれば是非教えてください。毎回、ニシさんのボトル播種をしているのですが、私には合っていない…
何年先になるかもわかりませんが、いつかはこの種の株から更に種が取れることを夢見て…これだから園芸は楽しいですね。