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はじめての塊根植物


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今回は昨年、私のYouTubeのチャンネルで公開した「はじめての塊根植物」のブログ版です。

 

ずっと文字起こし版を書きたかったのですが、なかなか時間も無く、ブログへのモチベーションも上がらなかったので形にならずに時だけが過ぎていきました。が、最近は文字を書くことへのモチベーションは比較的高いので今がチャンスと書き始めています。

 

季節はまだまだ冬で春はもう少し先ですが、春の植活にスタートダッシュを決められるように是非、暖かい部屋で読んでいただけると幸いです。

 

はじめに

私は僭越ながら主に塊根植物を扱うYouTubeチャンネルを運営させていただいています。そして有難いことに去年辺りから私のチャンネルで塊根植物を知り、沼にハマってしまったという方もいらっしゃるようです。沼にハメてしまってすみません。そして沼へようこそ。

 

ただ実際に塊根植物の栽培を始めた方もいますが、育ててみたいけど、まだまだよくわからないくて怖いという声も多くいただきます。

 

という皆さんに春から塊根沼へ一直線で飛び込めるように作った動画が以下の2本です。

 

 

まだ動画を見ていない方は是非、まずはこちらをご覧下さい。この記事はその動画の文字起こし版なので内容はほとんど同じです。ただ写真などは新たに撮影したりパソコンから発掘したものを掲載しています。動画を見た方も新たな楽しみはあるかもしれません。

 

塊根植物ってなあに?

塊根植物とは…

 

水分や養分を溜める為に根が肥大化した植物の名称です。

 

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英語では【Caudex】です。塊根植物とコーデックスは同じもの指します。ちょっとカッコつけてみたい時はコーデックスと呼んでみてください。

 

人気がある塊根植物は主に海外を原産地とする品種で、マダガスカルや南アフリカに生息する植物が特に人気があります。日本では4、5年前に一度かなりブームが来ました。今では少し落ち着いたものの、塊根植物自体がだいぶ一般的になってきたので、昔は欲しくてもなかなか入手出来なかった植物でもホームセンターに並んでいることもあってビックリすることがあります。ただまだまだ値段は高額で、身近な植物になるにはあともう一歩といったところです。

 

芸能人でも好きな方が多く、中でも俳優の滝藤賢一さんや、お笑い芸人のバッドボーイズの佐田さんは塊根植物好きの趣味家の中でもかなり有名です。あとはキムタクのインスタにアガベが写っていたり、じわじわと手を出す人も増えている印象です。

 

「塊根植物」と「塊茎植物」

塊根植物とは別に「塊茎植物」というものもあります。こちらも読んで字の如く「根ではなく茎(幹)が肥大化した植物の名称」です。

 

例えば野菜で言うとさつまいもは根が肥大化した部分を食べているので塊根植物です。一方、じゃがいもは茎が肥大化した部分を食べている塊茎植物です。あとは野菜ではないですがシクラメンなども塊茎植物と言われています。

 

我が家にある植物だと…

 

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ユーフォルビア飛竜や火星人、パキポディウム・ビスピノーサムなんかは明らかに根が肥大化しているので塊根植物です。

 

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一方でパキポディウム・グラキリスなんかは肥大化している部分は明らかに根ではないので塊茎に分類されます。

 

ただ厳密にこれは塊根植物で、これは塊茎植物と細かな使い分けは現状ではされていません。またほとんど塊茎植物という言葉を聞くことはないので、趣味レベルで楽しむくらいであれば、あまりそこにこだわらなくていいかなと思います。

 

塊根植物の定義って

「塊根植物」とは先述した通り、本来は根が肥大化した植物を指しますが、コミフォラやパキプスなどの灌木植物からユーフォルビア、時にはアガベまで、これらの植物を総称して「塊根植物」と呼ぶ場合もあります。私もどちらかといえば広く定義して「塊根植物」とまとめて呼んでいます。

 

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私にとってはパキプスのような木も塊根植物だし…

 

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アガベも塊根植物って呼んじゃったりします。

 

なので「あなたのチャンネルは塊根植物専門チャンネルって言ってるけど、アガベは塊根植物ではないのではないでしょうか」なんていじわるなことは言わないでください。ま、そんな人いないと思いますが。

 

一方ハオルチアやエケベリアは塊根植物と呼ばれることは少なく、こちらは「多肉植物」と呼ばれます。アガベもどちらかというと多肉植物と呼ばれます。

 

とりあえずここでは、「多肉植物」という大きなカテゴリーの中に「塊根植物」があるぐらいの認識で問題はありません。

 

✔ 塊根植物のまとめ

・塊根植物とは根が肥大化した植物の名称である

・塊根植物以外にも塊茎植物もある

・場合によっては広く定義される総称として使われる

・ブームになりつつあり、芸能人にもハマる人が増えている

塊根植物の2つのタイプって?

そんな塊根植物ですが、大きくふたつのタイプに分類できます。

1.春型植物

2.秋型植物

あれ?と思った人も多いですよね。一般的には恐らく夏型・冬型と呼ばれると思います。現に春型・秋型と記載している本などは見たことがありません。でもその呼び方が初心者にとってはなかなか難しいかなと私個人的には思います。

 

そう思う理由は成長期にあります。

 

「夏型植物」って聞くといつ成長する植物だと思いますか?やっぱり梅雨が明けて、真夏の太陽を浴びながらすくすくと成長するんじゃないかって思いますよね?

 

一方「冬型植物」って聞くといつが元気な植物だと思いますか?夏が終わり、秋になり、冬が来て、寒さに当たってこそ元気な植物だと思いますよね?

 

それが初心者にとっては最初のトラップで、夏型植物でも真夏の灼熱の太陽は耐えられないし、冬型植物でも冬が深まる寒い時期には成長することが出来ません。でも夏型・冬型っていうじゃんって思いますよね。私も最初の頃はそう思いました。

 

だけど春に芽吹き、秋に休眠に入る品種と、秋に芽吹き、春に休眠に入る品種。わかりやすく分類する為には夏型・冬型と呼ぶのが一番手っ取り早いのだと思います。でも実はそう単純なものではないので、管理する時はちょっとだけ「春型」「秋型」と思い出してみて下さい。

 

でもこの記事は「はじめての塊根植物」です。最初からあまり色々な用語が出てくると混乱するので、この記事内では一般的な呼び名通り、「夏型植物」「冬型植物」と呼ぶことにします。

 

夏型(春型)植物(3月~10月後半)

冬が終わり、春になると芽吹き始め、夏が終わり、秋になると休眠に入る植物です。パキポディウムやアデニウム、ユーフォルビアなどが夏型です。

 

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夏型といっても一番成長するのは猛暑が終わり、休眠に入るまでの9月~10月後半までが一番の成長期です。この時期は少し目を離すと明らかに「あなた、一回り大きくなったよね?」という株も出てくるので楽しいです。私は秋のボーナスタイムと呼んでいます。

 

ただその年によっては秋に雨が多かったりすると、あまり成長をしない年になります。また夏に直射日光で傷め過ぎると、秋は夏の疲れをとる時期として成長しないまま、休眠に入ってしまうこともあります。そういう年の場合もあまり秋には成長はしません。そう考えると夏は直射日光で栽培できる品種でも少し遮光をして管理するのがいいでしょう。日本の夏は暑過ぎます。

 

夏型植物は冬の寒さには弱い品種が多く、耐寒性が低い植物で最低15℃くらい、寒さに強い品種でも耐えられたとしても5℃くらいが限界かなと思います。一般的にはマダガスカル原産の品種は10℃以上、南アフリカ原産の植物は5℃以上で冬は管理しましょう。でも南アフリカ産の中には夏型でも0℃くらいまで耐え、関東以南では屋外越冬も出来る品種もあります。ですが、栽培の経験値が貯まるまではギリギリの綱渡りの管理はやめておきましょう。

 

冬型(秋型)植物(8月後半~4月)

夏型の逆で暑さが収まりだした8月の終わりから葉を出し始め、気温が上がる3月頃になると徐々に落葉し、休眠に入ります。オトンナやチレコドン、ケープバルブなどが冬型植物です。ハオルチアも秋型に分類されることもありますが、育てている感じだとハオルチアは夏と冬以外は成長します。

 

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夏型が夏に成長が止まるように、冬型は冬に成長が止まります。

 

「冬型っていうんだから、真冬でも外で越冬出来るよね」って思っちゃう人がいるんですが、大きな間違いで真冬は屋外での管理は出来ません。むしろ夏型と同じくらいの耐寒しかない(5℃程度)品種も多いので気を付けましょう。一番元気なのは20℃前後の時が一番調子がいいように思います。

 

夏越しは若干難易度が高く、蒸らしたらダメ、でも水切り過ぎてもダメという繊細さ。夏場で休眠中も水やりを定期的にしながら、風通しのいい場所で管理をしましょう。だけどそれが何年経っても結構難しくて、未だに毎年、数株は夏越をミスってしまい、秋に目が覚めずにショックを受けています。

 

そして冬型植物は夏型に比べると希少で高額な品種も多いです。なので寒さで枯らすとシャレにならないので、夏型よりも冬の管理は気を使っている気がします。ただ一時期は冬型は人気品種はめちゃくちゃ高騰していましたが、昨年あたりからしばらく市場に出てなかった植物が一気に出てきました。でも間違いなく数は減っていると思うので、それも時間の問題だと思います。手元の植物を大切にしましょう。

 

✔ 夏型・冬型植物のまとめ

・塊根植物には2つのタイプがある

・夏型植物は春に成長する植物で真夏の暑さは苦手

・冬型植物は秋に成長する植物で真冬の寒さは苦手

・春型・秋型と意識すれば覚えやすい

インテリアグリーンとして部屋で栽培できる?

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植物の育成に欠かせない三大要素として水光風があります。塊根植物は特に光と風がとても重要です。

 

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わたし

そんな植物を屋内で育てるって?いやいや、無理、無理。植物はおもちゃじゃないんだよ!

 

なんてことを思っていた時期もありました。恐らくブログを遥か昔まで読み返すと(偉そうに)そんなことを言っている投稿が見つかるかもしれません。

 

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わたし

でも観葉植物をはじめとしてインテリアグリーンって言葉は一般化してるし、なんなら自分もインテリアとして買ったのがスタートだったじゃないか

 

ふと数年前にそんなことを思ってからは、塊根植物をインテリアグリーンとして扱うことに対しては嫌悪感というか無くはないなと今では考えています。

 

私がそう考えを変えた理由の一つに屋内栽培設備の進化があります。

 

例えばLEDライト。数年前は植物栽培用のLEDライトといえば、水草用か、よくわからない海外産の野菜を育てる為のLEDライトしか売っていませんでした。しかし近年では明確に屋内で塊根植物を育てることを目的としたLEDライトもたくさん発売されています。話が長くなるのでそれはまたいつか別の機会にしますが、LEDライトや他の設備を整えることでインテリアとして塊根植物を育てることは十分可能だと思います。

 

ただLEDライトを買ったり、加温器具を揃えたり、初心者にとっては敷居は高いのは事実。もしLEDライトも無く、明るさも不十分なところで飾っているとどうなるか。当然ながら光が足りず、徒長し、無残な姿になると思います。知識があってこそ、インテリアグリーンとして扱うことは可能というレベルなので、今回のテーマである「はじめての塊根植物」という投稿の中での紹介としては窓際に置くぐらいなら可能ですという紹介に留めておきます。

 

✔ インテリアとしての塊根植物

・塊根植物もインテリアとして飾ることは可能

・ただし観葉植物のように室内で育ちやすい植物ではない

・しっかりとした環境を整えることが必要

・すぐに出来る室内での管理としては窓際に置いておく程度

難しい用語が多くない?

確かに難しい言葉が多い様に感じますが、慣れてしまえばどうってことはありません。ここでは塊根植物でよく聞く単語を3つだけ紹介します。

 

【現地球】

「げんちきゅう」と読みます。

 

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User:Hardscarf, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>

 

先ほども紹介した通り、塊根植物の人気種の多くは海外に生息している品種です。その為、海外で成長した植物を掘り出して、根を整理して、日本に輸入されることも少なくはありません。このように海外の原産地で採取され、輸入された株を「現地球」と言います。

 

現地球はそのワイルドな姿がとても人気ですが、一方で人気にあやかって現地では乱獲や密輸が進んでいることも問題とされています。その為、海外では野生株を栽培していることが恥ずかしいと考えられたりすることもあるのですが、この辺りの話になると本筋から脱線してしまうのでここでは省略します。

 

「現地球は国内で播種、育成された株では無く、原産地から輸入された株のこと」と覚えて下さい。

 

【未発根株/発根管理】

前述したように現地球は海外から輸入されるのですが、植物検疫の問題で根は全て綺麗に整理されて輸入されます。

 

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そうした根の無い株を未発根株と言います。

 

未発根株はそのままだと水を吸えずに枯れてしまうので、土に植えて、再度、根を出さないといけません。根が出るように管理をすることを「発根管理」と言います。

 

未発根株は当然ながら発根株よりも枯れるリスクは高いです。なので一昔前はしっかりと販売店は発根管理をして、根を出してから販売されていました。が、塊根植物の人気が高まるにつれて、販売側の発根管理が需要に追いつかなかったり、発根管理自体を楽しむ趣味家が増えてきたことで、輸入されてすぐに、土にも埋められないまま販売される光景もよく見るようになりました。

 

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ただこれらの植物は遥か遠くの気候も全く違う国で育ち、しかも長い年月をかけて育った、根っこまで無い状態で輸入されたということを忘れてはいけません。

 

未発根株には必ずリスクが付き物です。決して安くは無い塊根植物なので、出来ればまずはきちんと発根している株を購入するようにしましょう。

【実生】

「みしょう」と読みます。初心者が読み方を間違える用語ランキング堂々の1位です。

 

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実生とは「種から植物を育てること」です。

 

塊根植物はどの品種もとてつもない年月がかかっているのですが、最近はだいぶ栽培方法も確立されてきて、全くの素人でも種から育てることが容易になってきました。また日本国内で種から育てられた植物は日本の気候に慣れているので、丈夫とも言われます。そして何より、自分自身で種を蒔いて、芽が出て、大きくなった植物は可愛さ100倍です。

 

ということで実生にハマる大人が続出だとか。種自体も簡単に手に入るようになってきたので楽しむ人が増えました。

用語がわからないあなたに

今回は簡単に3つの用語だけを説明しましたが、更に色々な言葉を知りたい人にピッタリの書籍があります。

 

 

50音順で色々な多肉植物にまつわる用語を解説してくれている一冊です。

 

きちんとした用語からネットスラング的なものまで幅広く掲載されており、真面目な学術書というよりは、ちょっと砕けたムック本というような立ち位置。でもその立ち位置がゆえに読みやすさもあるので、色々な用語を知りたい方にはオススメの1冊です。

どこで買えばいいの?

ここまで読んでくださったみなさんは塊根植物とは何かだいぶわかってきましたね。まだ塊根植物を育てていない方は少しずつ欲しくなってきた頃でしょう。

 

では次は塊根植物はどこで買えるのか、どこで買うべきかについてです。

 

ここ数年で塊根植物は小さな園芸店からホームセンターまで様々な場所で目にするようになりました。ただ色々なところで目にする機会が増えたからこそ、どこで買えばいいのかわからないという声も聞きます。これまでであれば、まずは即売会に行ってみましょうとオススメしていましたが、このご時世なのであまり多くの人が集まるイベントをオススメするのもどうかなぁと思うので、個人的に塊根植物を買うのに適した場所をいくつか紹介しておきます。

1.大型園芸店

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関東ではファームユニバーサルやオザキフラワーパーク、プロトリーフ。関西だとファームユニバーサルや国華園など、大型の園芸店が各地域にあるかと思います。大型園芸店ではかなり高い確率で塊根植物が置かれていることが増えました。

 

お洒落な園芸店なら植物に興味のない恋人とのデートにもいいですし、最近は遊具が置いてあるようなところもあるので家族連れでも楽しめるお店もあります。まずはこうした園芸店で塊根植物ってどんな種類があるんだろうとリサーチするところから入りましょう。

 

ただし注意点としてはこうした園芸店は値段が相場よりもかなり割高な傾向にあります。その値段で売れるなら、私は大金持ちだなぁと思いながらいつも眺めています。なので実際にここで購入するというよりは、どんな植物があり、値段はどれくらいで、自分はどういった植物が欲しいのかを知る下見の場として考えましょう。

2.ホームセンター

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そして次は少し大きめのホームセンターに行ってみましょう。

 

最近はホームセンターでも園芸店顔負けの驚くような品種が並んでいることがあります。少し大きめの店舗だと必ず塊根植物も置いていると思います。

 

そしてなんといっても値段が安い!3号鉢以上の大きな株だとそこまで安くはないですが、それ以下だとかなり安くてお得な株に出会える場合もあります。でもだからこそ、最近はホームセンターでも多肉パトロールをしているライバルも多く、お得な株はあっという間には売り切れてしまいます。なかなかタイミングが合わないと買うことすら出来ない場合もあるので、ここの店舗はいいかもというお店を見付けたら、根気強く通いましょう。

3.サボテン専門農家

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ここまで大型園芸店、ホームセンターと足を運び、段々と自分の欲しい品種や値段の相場もわかってきましたよね?ということで次はいよいよサボテンハウスや専門店に行ってみましょう。

 

なかなか初めてだと行きにくいかもしれませんが、塊根植物の需要が増えてきたので、各サボテン園さんもわかりやすく注意書きを掲示してくれたり、以前に比べると初めてでもかなり行きやすい雰囲気にはなっています。

 

ただ注意点としては園芸店やホームセンターのようにきちんと品種名が書かれていなかったり、値段が付いていないことも多いので、多少の知識は必要です。それでも園主さんに聞けばちゃんと教えてくれますが、知識が少ないうちはちょっと疲れてしまうかもしれません。だからこそ、まずは入りやすい園芸店やホームセンターで少しずつ知識を付けてから行くことをオススメします。知識は必要ですが、きっと探していた、欲しかった植物に出会えることでしょう。

4.オンラインショップ、フリマサイト、オークション

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最後にヤフオクやオンラインショップでの購入です。

 

なかなか近くには大きな園芸店もないし、専門店も無ければオンラインショッピングに頼るしかない方もたくさんいらっしゃると思います。確かに自宅にいながらにして欲しい植物が購入できるのはすごく楽ですよね。

 

ただし…最初からはオススメしません。

 

写真だけだとある程度知識がある人でも状態が分からない時があります。意図的に見られたくないところを隠しているかもしれません。また鉢に植えられている植物は鉢の中までわかりません。未発根の株の可能性だってあります。管理状態が悪くて、虫がたくさん湧いてきたって話を聞くこともあります。ネットショッピングにはそういったリスクが絶対に付きものなのです。

 

もちろんそんな悪い販売店ばかりではないですが、悪意が無くても、配送時のトラブルであったり、予期しないリスクもあります。ただ色々な店を探し回っても見つからなかった植物がいとも簡単に見つかったりすることもあるのは良いところです。初めからネットショッピングで買うのではなく、少しずつ詳しくなってきて、見る目が付いてきてからネットショッピングは上手く活用しましょう。

 

✔ 塊根植物の購入場所のまとめ

・最初はまずは気軽に行きやすい大型園芸店で植物を知ろう

・次はホームセンターで手頃な株を購入しよう

・知識がついてきたらサボテンハウスや専門店に行こう

・ネットでの購入は慣れてきてからにしよう

最初に育てるのにオススメの品種は?

塊根植物は何千種という品種があります。そしてそのほとんどは日本が原産ではなく、遠く離れた異国の地で生きる植物です。その為、いくら魅力的な植物でも日本での栽培が難しい品種も存在するのは仕方ありません。しかもそういう品種に限ってやはり希少で高額!高いお金を出してすぐに枯れたら植物が嫌いになってしまうかもしれません。やはりまずは値段もそれほど高くない、丈夫で育てやすい植物から育てることをオススメします。

 

そんな最初に何を買えばいいのかわからない、はじめての塊根植物にピッタリの植物をいくつか紹介します。

「ユーフォルビア・飛竜」

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飛竜は大根のような塊根部からうねった葉を出す特徴的な塊根植物です。その姿は珍奇植物と呼ぶに相応しく、とてもカッコいい品種です。

 

栽培も容易で、多肥多水でも滅多に腐ったりすることもありません。むしろ我が家では冬はちょっと取り込むくらいであとの季節はほとんど雨に打たせてほったらかしで栽培しています。それほど管理が楽な植物なのではじめての塊根植物にはピッタリの品種です。

「火星人」

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火星人も寒さに強く、成長も早いので初めての塊根植物にはオススメの植物です。

 

3月頃から初冬までは雨の当たる場所で雨晒し栽培で全く問題ありません。一年でかなり成長すると思います(たぶん鉢が変形するほどに)。冬は5度くらいまでは平気で耐えますが、0度近い日が続くと春先に傷みが出る場合が多いので、最低5度は維持出来る場所で管理をしましょう。

 

塊根部は埋めておいた方が成長は早いですが、塊根を全て埋めるとかなり地味な植物なのである程度成長したら塊根を出して植え替える事で楽しめると思います。

「パキポディウム・サキュレンタム/ビスピノーサム」

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パキポディウム属はほとんどの品種がマダガスカルが原産地ですが、こちらの2種に関しては南アフリカが原産地のパキポディウムです。

 

南アフリカ原産なだけあって、マダガスカル産のパキポに比べると寒さに強く、丈夫なのが特徴です。水を切っていると関東でも越冬は出来るようですが、霜に当てたり、あまりに寒い日が続くと取り込んだ方がいいと思います。また似たような2種ですが、サキュレンタムの方が若干寒さには弱く、5度くらいはキープした方が安全そうです。ビスピは0度くらいまで耐えられる気がしますが、それで枯らしたら意味が無いので冬は部屋に取り込む方が無難です。

 

パキポにしては成長も早いので、実生株だとすぐに立派な塊根を見る事が出来ます。なので実生株を育てるのも楽しい品種ですが、実生株では原産地の株のように幹が茶色くならず、風合いが出ないので注意が必要です。あの茶色い肌の風合いは恐らく現地の赤土によるものではないかなと思います。

 

また見かけによらず特徴的な可愛い花を咲かせます。この2種は姿は似ていますが葉や花は全く違うので見分けは簡単です。

「プセウドボンバックス・エリプティクム」

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こちらは塊根植物では無く、観葉植物に分類されることが多いですが、剪定を繰り返すことで幹を丸く育てる事が出来るので、塊根植物好きの間では人気が高い品種です。

 

写真の株も実生株ですが、毎年剪定を繰り返すことでだいぶ丸い株になってきました。挿木で増やす事も容易な上に挿木株でもしっかりと太るので、オススメな品種です。

「ユーフォルビア・オベサ」

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南アフリカ原産のユーフォルビア属の一種。球系ユーフォなんて言われたりします。似たような球系ユーフォにはホリダやバリダといった品種がありますが、このオベサが最もまん丸で可愛い品種。個人的にめちゃくちゃ好きな品種です。

 

南アフリカ原産なので寒さにも強く、水を切って雨に当たらない場所に置いておけば関東以南では屋外越冬可能です。この品種は雄株と雌株が異なる品種ですが、雄雌と揃えば種採りもかなり簡単なので、自分で種を採って実生をするのにもオススメな品種。ただ成長はあまりは早くありません。

 

ちなみに最初に紹介した飛竜も同じユーフォルビアの仲間ですが、飛竜とオベサでは全く姿が異なります。これでも同じ属なのでビックリですね。ユーフォルビア属は品種数がかなり多く(1冊の本が余裕で作れちゃうくらいに)同じユーフォルビアでもこのように姿も全く異なる品種もたくさんあるので、色々な品種を集めても楽しい属の植物です。

 

また増やしやすい品種も多いので、ホームセンターで安価で売られる事もよくあります。是非、お気に入りのユーフォルビアを探して下さい。

 

 

以上の品種は比較的値段も安く、入手しやすい上に栽培も容易なのでオススメです。

 

そして冒頭で話した内容と矛盾するのですが、どうしても欲しい植物があるのであれば、多少高くても最初に購入してしまうのも考え方としてはアリかもしれません。それほど欲しい植物であれば栽培方法もしっかりと調べ、愛着を持って育てられるのではないでしょうか。

 

ただし、植物を始めて間もないのに、希少種の発根管理からスタートするのはオススメしません。特にパキプスの発根管理なんて、今や本当に気軽にみなさん行われていますが、発根確率は低く、プロが管理しても枯れてしまう確率の方が高い植物です。最初からそうした植物を育てるのはかなりリスクが高いのでオススメは出来ません。

 

初心者にオススメの本はある?

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私が塊根植物にのめり込んだ数年前は塊根植物が掲載されている書籍は本当に少なくて、多肉の寄せ植えなどがメインの本の最後1,2ページに少しだけ載っている程度の扱いでした。が、今や塊根植物メインの書籍も何冊か出てきて本当にいい時代になったなぁとしみじみと感じます。ということで最後の初心者の方におススメの書籍を紹介します

 

 

まずオススメなのが間違いなくこの1冊。NHK出版から12ヶ月栽培シリーズとして色々な植物の書籍が出ているのですが、そのシリーズのコーデックス版です。

 

この本のいいところは12ヶ月栽培ナビという通り、1年間それぞれの季節に応じた管理方法を掲載してくれている点です。恐らく最初の頃に悩むのは、春はいつから水をあげればいいんだ、夏は遮光したほうがいいのかな、秋はいつ取り込めばいいの、冬の水やりはどうすればいい、など季節によってどのように管理を変えればいいかわからないという悩みだと思います。そういった悩みを解決してくれるのがこの1冊。また実生や挿木などについても説明があり、これから塊根植物を育てる上で知っておいた方がいい最低限の知識は知ることが出来ます。ただし掲載内容は1年程度植物を育てた人には少し物足りないかもしれません。ですが初心者にとってはマストバイな書籍です。

 

まずはこの書籍を買って塊根植物のことを知りましょう。

 

 

次のこちらの書籍も必ず紹介したい1冊。

 

先ほどの12カ月栽培シリーズのコーデックスは品種はあまり多くは掲載されていません。ただし、こちらの書籍は掲載品種も多く、コラムなど読み物としても楽しめます。栽培方法はNHK出版の本で学び、品種はこちらで知るといったように組み合わせて読むといいと思います。ちなみに余談ですが、この書籍には少しだけ私も掲載していただいています。ありがとうございます。

 

あとこれも余談。この書籍は先ほど紹介した多肉植物サボテン語辞典と同じ編集者さんが作られた書籍です。この方の作る塊根植物系の書籍は内容も充実していてオススメです。

 

 

こちらは栽培本ではなく写真集です。

 

国内ではあまり海外の植物の原産地の写真集は発刊されていない(あまりというか私の知る限りではこれしかない)のですが、こちらは原産地のままの姿を写真に収めてくれている数少ない写真集です。植物カメラマンとして実際に活動されている木原さんの写真はどれも力強く、繊細で未だに時間があれば手に取ってしまう1冊です。オールカラーの写真集なので少々値段も高いですが、買う価値は存分にある1冊だと思います。

最後に

という事で本日は「はじめての塊根植物」ということで塊根植物をこれから始めたい人、始めて間もない人に向けた内容でした。

 

最初は動画の内容をそのまま文字起こしをして、写真を数枚つけようと思っていましたが、気付けば少しブログ用に加筆して1万5千文字を超える大作になってしまいました…ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございます。そしてあなたはもう立派な塊根植物趣味家です(まだ持っていなかったとしても気持ちだけは)。

 

塊根植物はまだまだ高価な植物で栽培方法も確立されていません。

 

ちゃんと愛情をかけて育てていたとしても、いきなり枯れることもしょっちゅうありますし、もう植物なんてやめてしまえ!と思うことも度々あります。だけど手間をかけて、時間をかけて育ててきた植物の花が咲けば嬉しいですし、種が採れて、発芽なんてしちゃえばそれまでの大変な苦労や辛さなんて一気に忘れてしまいます。それほど塊根植物は魅力的な植物です。

 

この楽しみを味わうために、あなたも是非、塊根植物の沼への一歩を踏み出してみましょう。

 

Let's Caudex Life!

 

おしまい