色々とやってみる楽しさ。
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観察と試行錯誤
ウンカリーナ・ルーズリアナが咲きました。長年、種をとってみたいなぁと思ってた品種。でもウンカリーナは自家受粉しません。なかなか他の株との花が合わなくて、今まで実生どころか種を取る機会すらもらえず…でも今年は手持ちの株数も増えて、サイズも大きくなり、花が合いました。ということで受粉から種取りの記録です。
正面から見るとパキポのような花。でも横から見るとラッパ型でかなり長細い形です。花は咲いてる期間が短く、翌日かその次の日には落ちている印象。なので咲いたらすぐに受粉作業をします。でも一株につき花数はかなり多く、一度咲くと次々に毎日別の花が開花しているので、チャンスは多そう。
どんな仕組みになっているのかまず確認の為に花弁を裂いてみました。最近は受粉をしなくても花を分解して、中の写真を撮るようにしています。こうして文字にするとサイコパスな感じですが、私の育ててる植物は花を楽しむものではないものが大半なので、いつか受粉作業が出来る時の為の勉強です。どこに花粉があって、どこが雌蕊でとか把握してないとスタートラインにも立てないので…たまに適当にこちょこちょしてると結実するラッキーパンチはありますが、それは文字通りラッキーなだけで持続的ではないです。
ウンカリーナに関しては雌蕊と雄蕊が非常にわかりやすい配置です。これなら受粉作業も簡単に出来そう。と思いきや、ネットとか見ると難しいと書いてる人が多数ですね。自家受粉しないからってところが原因だと思うんですけど、どうでしょう。
柱頭は花粉をキャッチすると食虫植物のように閉じます。植物ってすごい。
試しに花糸を切ってピンセットで柱頭にこしょこしょしてみます。ベーシックな受粉方法でこれで受粉出来たら簡単なんですが…やはりそう簡単にはいかず、花粉が出ている様子がありません。葯を触ってみても花粉が指につかない。
このまま葯をひとつ柱頭に置いてみました。ちゃんと柱頭が閉じて受粉してそうな雰囲気はありますが、翌日には花ごと雌蕊も落ちてしまっていました。
どうやらちゃんと花粉を取り出して受粉させないと結実しない感じ。ま、当たり前ですね。
じゃあその花粉はどこにあるのかというと、葯を先の尖ったもので開いて中から出してやる必要があるみたいです。最初はまだ成熟していなくて、花粉が出てないのかなと思いましたが、開花後、少し待った花も落ちる直前の花も花粉が出ることはなかったです。となると自家受粉(はしないんですけどね)や交雑を防ぐ為にむやみに花粉をまかないような仕組みになってるのかなぁと。葯を開くと写真の通り、中に花粉が詰まっています。
それをピンセットですくって柱頭へ。柱頭はかなりザラザラで花粉を乗せやすい。写真でもはっきりと花粉をキャッチしているのがわかります。でもあと少し奥に花粉を置いた方が良かったかな?【6/17】
受粉が失敗していると1,2日後には花柱は花弁と一緒に落ちるようです。
一方受粉が成功していると花は落ちても花柱は残ります。【6/20】
そこから2,3日すると花柱が落ちます。でもこの時点で子房がなんとなく膨らんできたのを確認出来ます。不要なパーツからどんどん落としていくんですね。面白い。【6/23】
だいぶ子房が膨らみました。受粉確定。【6/28】
こちらも子房は膨らんで確実に受粉は成功してますが、落ちてしまいました。もしかすると一株で大体3鞘くらい結実すると体力温存の為なのか、それ以上は実をつけないように出来てるのかもしれません。お互いに受粉させた二株は偶然だろうけど、どちらも3鞘の結実。残りはやはり落ちてますね。
受粉方法は私が今回試した方法でまず成功確定かな。やはり葯のまま柱頭につけてもダメで、葯を先の尖ったもので破いて、中の花粉を取り出して、それを柱頭につけると受粉します。自家受粉は不可。柱頭に花粉の量が十分付着すると柱頭は閉じます。受粉のタイミングは蕾が開いたらすぐ。咲いたばかりの花でも花粉はありました(量は少なかったけど)。むしろ花はすぐ落ちるので早めに受粉しましょう。2,3日後に花弁ごと雌蕊が落ちたら失敗。花弁は落ちても花柱は残ってるなら第一段階はクリア。次第に子房が膨らみ、花柱は落ち、子房にトゲのようなブツブツが出て来たら受粉成功確定です。ただし、ここまで来ても、一株で多く受粉させ過ぎると落ちるようなので注意。
ここまで書いておいて結局、このまま種が出来ずに落ちたら笑いものですね。まずは今回は受粉から結実したよというところでまとめたいと思います。このまま引き続き観察し、次は種が取れましたのところでブログに投稿出来ればと思います。ダメだった場合は恐らく記事が上がらないと思いますので、お察しください。最近、お察し下さいパターン多いな。