天気を気にするひとのブロッグ

へなちょこプラントラバーが千葉より綴る…

発根管理を考える 其の一。

長文にお付き合い下さいませ。

 

今回からパキポディウムの発根管理について3回に渡って書きたいと思います。思えば園芸を趣味としてから割とすぐに海外からベアルートの輸入に手を出しました。私は実はおもちゃの収集も趣味でありまして、海外から物を買うという行為自体は結構昔からやっていたので、植物の輸入にも抵抗無く入ることが出来たのかもしれません。なので何も知らないズブな素人の時から発根管理とは付き合ってますが、未だにこれ!といった管理方法が確立出来ていません。ですが今まできちんと整理したことがなかったので、ここらで一回まとめておこうと自分の備忘録としてこの投稿を書いています。

 

はじめにお断りしておきますが、発根管理は正解がありません。なので同じように管理して枯れた、腐ったのクレームはご遠慮下さい。あくまで少しのエッセンスとして参考にする程度でお願いします。また山採り株に対して嫌悪感を持ってる方、未発根株には興味がない方にも時間の無駄かと思いますので、飛ばしてくださいませ。そして水耕発根に関しては私は一切やったことがないので、他の方のブログを参照下さい。個人的には植物日誌さんのブログなんかは参考になると思います。

 

全3回の1回目は発根管理用土について考えてみたの回です。文字ばかりです、すみません。

 

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みなさんは未発根株の用土は普段植え込んでる培養土と使い分けたりしていますか?私は現状、全く使い分けをしていません。いつも植える用土と同じ用土に未発根株も植え込んでいます。理由としては発根管理用の土を使ってしまうと、発根後、早い段階での植え替えが必要となります。出来れば発根しても1年間くらいはそのまま様子を見たいところ。それならば発根してもそのまま管理出来るように普段使ってる土に植えた方がいいじゃん的な思考です。ただそれも発根したという前提のこと。発根をまずさせることが出来なければ何の意味もありません。

 

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ということで今回は発根用土を本気で考えてみました。


まず用土についてのおさらい。基本的な知識なので知っているよ!という方は飛ばしてください。


用土を語る上でよく聞くワードに「保水性」「排水性」「通気性」という言葉があります。これって当たり前に目にしてますが、それぞれどういうメリット・デメリットかきちんと理解していますか?私は最初の頃は全く理解していませんでした。おさらいするとざっくり説明して以下の通りです。


保水性 … 言葉の通り水もち、水を保つ力。保水性が高過ぎる用土では常に鉢内は湿った状態で空気が不足する。その結果、根は窒息状態となり根腐れなどにつながる。

 

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【保水性の高い用土一例】


排水性 … 水はけ。排水性が高過ぎる用土では常に鉢内は乾いた状態で根が水分の吸収が出来ずに十分な成長が出来ない。

 

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【排水性の高い用土一例】


通気性 … 鉢内に酸素を取り込む力。通気性が高い用土では用土の隙間から根が十分な酸素を取り込むことが出来、成長促進につながる。


植物の根を成長させるには水と空気が必要不可欠です。たぶんみなさん、ここまでは植物を栽培しているとなんとなくわかりますよね。でもどこか引っかかりませんでしたか?私は植物を始めた頃、すごく引っかかりました。私の疑問ポイントは「保水性と排水性を持った土がいいってよく聞くけど、それって真逆の性質じゃん!どういうこと?」「排水性と通気性って同じじゃないの!?」という2点でした。でもよくよく考えるとそれも簡単な事でした。


・保水性と排水性の関係について


例えば黒土は保水性は抜群で水をあげるとジットリとした土になりますが、水を持ちすぎて、鉢内で空気不足になります。逆に軽石のみだと排水性は抜群ですぐに水は抜けますが、鉢内が乾燥し過ぎて根は十分に水を吸収出来ません。どちらも保水性、排水性それぞれで見ればとても優れていますが、植物にとってはあまりよくない環境であることはわかりますよね?そこでその二つの土を混ぜると黒土の保水性と軽石の排水性が合わさって、適度に水も持ちながらも、適度に水も抜ける保水性と排水性を持ち合わせた土が出来ます。それが保水性と排水性のあるいい土ということで、こうした調整をする為に色々な土を混ぜて配合しています。じゃあ混ぜたら保水性と排水性を持った土が出来るのはわかるけど、赤玉土単体で保水性と排水性を持っているってどういうこと!?という疑問が出ませんでしたか?それは赤玉土自体は適度に保水しますが、粒と粒の間に隙間が生まれることで、その隙間を通って水や空気が抜けます。それが保水性、排水性を持った土と言われる理由です。なので経年により赤玉土の粒が潰れて微塵になった場合は排水性の機能が低下し、保水性が高いだけの土になるので定期的な植え替えや、土の再利用は注意が必要です。

 

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上記は同じ分量の異なる用土に同じ量の水を潅水したもの。左から黒土単体、軽石単体、黒土と軽石を1:1で混ぜた土。となっており、全てに200mlの水を潅水した。水がコップに溜まっている量が多いほど排水性がよく、少ないほど保水性がいい。当然ながらコップの水の量は黒土<配合土<軽石だった。


・排水性と通気性


排水性=水はけ、通気性=空気の通りやすさです。植物は根から水だけでなく酸素も取り入れています。保水性が高く、排水性が低い用土だと土の中に水が溜まってしまい、空気が通りません。その為、根が酸素を取り入れられず、窒息状態になり根腐れを起こします。


また用土の話をする上で欠かせないのはPHの話です。私も最近まではPH値を気にすることはなかったのですが、園芸においてあまり重要視されてないのは日本くらいで世界の園芸家達にとってはPHを調整して用土を作り、栽培するのは当たり前であって、気にしないことが信じられないと聞きました。恐らくは日本では用土は買うのが普通で、PHなんて気にしなくても栽培出来ないほどの酸性やアルカリ性に土が傾いていることはないからではないでしょうか。一方、海外では土は買うものではなく、取ってきてその土で栽培するというのが当たり前に行われているようです。となるときちんと性質を確認しなければすぐに植物が枯れてしまうリスクもあり、調整することは当然とされてきたのではないかと思います。


では塊根に適したPHとは?海外のWikipediaに土に関する表記があったので掲載します。

 

Pachypodium have a pH range from strictly acid soils with a pH Level of 3.5 to 5 to neutral to Alkaline soils at a pH level of 7 to 8. Species growing on gneiss, granite, and quartzite adapt to acidic soils. Species preferring a pH level of 3.5 to 5 are Pachypodium brevicaule, P. cactipes, P. densiflorum, P. eburneum, and P. rosulatum. The species growing on calcareous, limestone, for instance, adapt to a basic substrate. Species growing in acid to almost basic soil that have a pH level between 4.5 to 7 are P. lamerei and P. rutenbergainum. P. meridionale grows in neutral soils. And, some species tolerate both acidic and basic soil conditions. P. sofiense can be found in either soil condition. (For species that grow in only one type of soil pH condition maintaining that "simulacrum" of acidity or alkalinity is crucial to success in cultivation.)

 

こちらを読む限りは品種によっての違いはありますが、ほとんどのパキポはPH3.5〜5の酸性の用土を好むようです。ただ色々と情報を探していると国内では弱酸性〜中性のPH6〜7が適していると書かれているものが大半で酸性が適しているという情報はありませんでした。それが日本での栽培に適したのが弱酸性なのか、そこまでの情報は拾えず…用土を酸性にするなら鹿沼土ピートモスなどを配合しましょう。


随分と長くなってしまったので、一旦締めます。次はいよいよ本題の発根に適した用土と環境を考えます。